ICA関西に所属する会員によるリレー形式で「室内装飾新聞」に「ICの視点」と題してコラム掲載しています。
8月号は、金城貞美さんに担当していただきました。

室内装飾新聞8月号より

『ICの視点』 ~ 「インテリアにおける色と光の関係」

インテリアデザインにおいて色と光は非常に重要な要素です。
色は部屋の雰囲気や空間の印象を大きく左右します。また単独で使われるだけでなく、素材
や組み合わせやトーンの調整によってもさまざまな効果を生み出すことができます。
明るい色は部屋を広々と感じさせ、活気や明るさをもたらします。一方、暗い色は部屋を落
ち着かせ、温かみや高級感を与えることができます。
また、個々の色は心理的な効果をもたらします。たとえば、青はリラックスを、赤はエネル
ギーを、緑には癒しの効果があるといわれています。
このように部屋の目的や雰囲気に応じて色を選ぶことが大切なポイントとなります。
どのような色を組み合わせて、部屋を演出し、バランスを整えるのか、空間全体の色をイメ
ージします。例えば、コントラストをつけることで魅力的な効果を生み出すことができます
し、対照的な色を組み合わせることで、部屋の視覚的な深さを演出することができます。ま
た、トーンを揃えた色の組み合わせは、統一感や調和を生み出します。
空間全体の印象を捉える際に、同時に考えなければいけないのが「光」です。
光には、自然光と人工光があります。自然光は太陽光や月の光のことで、人口光は照明の
ような人工的な光源から発せられる光のことです。
それぞれの光は、色の見え方や空間の雰囲気に影響を与えます。光も色を帯びているからで
す。
暖色系(低い色温度)の光は、部屋を温かみのある雰囲気にすることができますし、寒色系
(高い色温度)の光は、部屋を明るく清潔な印象にします。色温度を適切に選ぶことで、部
屋の色や家具の見え方を調整することもできるのです。
さらに、インテリアと自然光の関係は非常に重要です。
自然光は部屋の雰囲気や空間の印象を時間経過と共に、大きく左右するだけではなく、人が
自然と五感に感じる心地よさや快適さをもたらす効果があります。明るい自然光は気分を
明るくし、エネルギーや活力を与える効果があります。また、自然光は体内時計や睡眠リズ
ムにも影響を与えるため、自然光の利用は生活の質や健康にも良い影響を与えると言われ
ています。
太陽光は部屋を明るくし、広がり感を与えるだけではなく、色彩をより豊かに見せる効果が
あります。太陽光のもとでは部屋の色や素材が最も鮮明に見えるため、適切な色の選択や配
置が重要となります。
最後に、色はトレンドや流行に影響を受けることもありますが、空間の用途やそれぞれのラ
イフスタイルにあわせて取り入れると、空間に表情もでてきます。さらに光という要素も一
緒に考えていくと自分らしい豊かで健康的なインテリアを作り上げることができるのでは
ないでしょうか。

【先日テレビ出演し、壁紙の色を変えると空間が変わるというインテリアコーディネート
をさせていただきました】
【ダイアン津田さまトレーニング室】

【空間に色が入ると、楽しい印象をうけます】
【T クリニック休憩室】

色のトーンを揃えると統一感や調和が生まれます。
【T 様邸】

床が明るい色と自然光の拡散で空間全体に広がりがでます。
【A 様邸】

自然光とバーチカルブラインドの影で時間によって違う演出効果がうまれます。
【T 様邸】

無機質なオフィスも暖かみのある色が入ると穏やかな気持ちとなります。
【Y 会社健康相談室】

株式会社ベイルインテリア 代表取締役 金城貞美