2021.7.7 

7月のオンラインセミナーは「箔」の世界で創業100年以上の歴史を持つ、歴清社様でした。

歴清社様は明治時代に広島で屏風商を創められたのが箔を作り始めたきっかけで、
従来の高価な本金や本銀の箔にとどまらず、安価で手に入りやすい真鍮を使った箔押し紙を開発されました。
本金と同様、変色しない金紙を製品化したことでインテリア商材として様々なところで使用されるようになり、
現在世界中の建築物に歴清社様の箔が採用されています。

歴清社HPより

 セミナーでは豊富な採用事例を紹介して頂きながら、
施工箇所や効果的な使い方、見せ方など分かりやすくご説明頂きました。
国内はもちろん海外の一流ホテルやレジデンスの優雅でラグジュアリーな施工写真でひと時のあいだ別世界に誘われました。
また箔の基本的な種類が金属により10種類もあることは初めて知りました。

歴清社HPより

特に銀が黒に変色するまでの間の色を赤貝箔、青貝箔、黒貝箔と3種類に分けた箔は、
金属の特性を生かした深い色合いが組み合わされていて、それだけで趣深く素晴らしいものでした。

 箔というとまずは和風の金箔、銀箔というイメージがありますが、
歴清社様では箔をそのまま使った商品だけではなく、
大理石調に見せたり布地の上に貼るなどの加工を施すことでモダンでアーティスティックなデザインを生み出されています。
もしかすると箔とは思わず、どこかの美術館やホテルで目にしているかもしれません。
近年では新しく『HAKU SHEET』という塩ビフィルムの商品を開発されたことで
外部箇所への施工や耐久性を必要とする場所での採用が出来るようになり、今後増々の可能性を感じました。

ただ実際採用するとなると何より気になる部分が価格です。
こちらについては商品にもよりますが、本金箔などの価格(15万円/㎡~)の約1/10程度ということですので
比較的お手頃で検討の余地は十分あるのではないかと思いました。
施工も一般のクロス業者で可能との事ですので気軽に取り入れてみると良いのではないでしょうか。

今回のセミナーで箔の奥深さはもちろんデザインの多様性などを知り、
今後内装を検討する際には一つの身近な選択肢として『箔』を捉えていきたいと思っています。
まずは現物を見るところから!ということで皆様も大阪ではセントレジスホテルなど見学に行かれてみてはいかがでしょうか。

歴清社HPより


最後になりましたが今までの歴史と十分な実績がありながら、
常に新しい手法への挑戦を重ねられている歴清社代表の久永様、大変貴重なお話をありがとうございました。
今後の仕事に活かせる有意義な勉強会となりました。

 会員NO.344 武岡加陽子