ICA関西に所属する会員によるリレー形式で「室内装飾新聞」に「ICの視点」と題してコラム掲載しています。
4月号は、野村恭子さんに担当していただきました。
『ICの視点』 ~ 「SNSマーケティング インテリアコーディネーターの仕事の広げ方」
ここ数年でインテリアコーディネーターのSNS参入が爆発的に増えています。特にフリーランスで活動されている方が、SNSを使って仕事を獲得しようとする方が増えています。
それはなぜでしょうか?今までは実績を現場で積み上げて、少しずつ仕事を増やしていく。これがインテリアコーディネーターとしての仕事の仕方でした。しかし、コロナウイルスが広がったこと等もあり、家で未経験からでも気軽に仕事ができるということに可能性を感じた方が増えたからではないでしょうか?子供を家庭で養育しながら、共働きのようにお金を稼ぐことができる時代になっています。
そしてSNSを上手に利用することで、仕事の可能性も広がります。知名度が上がれば、大きな仕事を獲得することも夢ではありません。
出典:ICT総研 2022年度SNS利用動向に関する調査
世界のみならず日本でも年々SNS利用者数は増加しており、2024年にはSNS全体の利用者数は8400万人弱に達すると試算されています。特にインテリアと親和性の高いInstagramに関しては6600万人が利用していると言われています。
確かに私もSNSを利用することによって、フォロワー数は3万人を超え、大手企業からセミナー登壇の機会を頂いたり、少しずつですがビジネスチャンスを広げることができるようになってきています。では、誰でも等しくSNSからマネタイズが可能なのでしょうか?残念ながら誰でも簡単に即仕事につなげられるという考えは幻想だと考えていただきたいです。しかしながら、簡単にという考えは捨てて、きちんと取り組めば誰にでも成功の機会はあります。今回はSNSをビジネスにどう利用していくべきなのかという観点からのお話です。
①ターゲット設定
SNSでは誰に何を届けるのかを考えて投稿することがとても大事です。例えば20歳そこそこの学生に届けたいのか、30代のファミリー層に届けたいのかによって、投稿の内容は変わってきます。また、ブランドイメージもターゲットによって変えていかなければなりません。ターゲットが何を望んでいるのか、ニーズを把握することが大事です。きっちりとターゲットを設定できると思い描いた通りの方からお問い合わせが来るようになります。
②定期的な更新と分析
SNSは仮想世界のお店のようなものです。もしもA商店のことが気になったとして、数ヶ月に1回しか投稿されていなかったとしたらどうでしょうか?元々ブランド力があって、カリスマ的に仕事をしているのであれば話は別です。しかし普通はこのお店は本当に営業しているのかな?と不安になってしまいます。そんなお店に足を運ぼうとは思いにくいです。毎日の投稿ができなくても構いません。決めた投稿頻度は必ず守るようにすると、顧客からの信頼も得られるようになってきます。
③質の高いコンテンツの提供
ここ2~3年でSNS投稿者の数もかなり増えています。それに伴いコンテンツの質もどんどん上がっているのが現状です。その中でもひときわ目立つためには、質の高い投稿は必ず求められます。というより必須条件になってきています。その上で人と同じ事をしていても飽きられてしまいます。最近気になるのはみんな同じような投稿をしていること。成功している人を参考にするのは大切です。ただ、同じような投稿が増えると、誰の投稿かも見わけがつかなくなってしまいますし、興味も持たれなくなってしまいます。その人にしかないオリジナリティを出していくことは今後益々重要になってきています。
④活発なコミュニケーション
SNSでは、単方向の情報発信だけでなく、フォロワーとのアクティブなコミュニケーションも重要です。コメントへの返信や質問への丁寧な回答を通じて、フォロワーとのコミュニケーションを大切にしていかなければなりません。また、フォロワーの投稿や反応にも積極的に対応することで、フォロワーとのつながりを深めることが大切です。インターネット上の世界ではありますが、人と人との繋がりはこれからの時代は特に大事だと考えて下さい。
SNSを活用して仕事を広げる為には、計画性を持って分析をしながら改善をしていくことが大事です。多くの方がうまくいかなかったからやめていくのがSNSの世界です。やめずにチャレンジしただけでも成功にぐっと近づくと考えています。皆さんもSNSの世界に足を踏み入れてみませんか?