ICA関西に所属する会員によるリレー形式で「室内装飾新聞」に「ICの視点」と題してコラム掲載しています。
9月号は、遠島和恵さんに担当していただきました。
『ICの視点』 ~ 「実物・現物を知る」
私の所属しているインテリアコーディネーター協会関西では、ほぼ毎月勉強会や見学会が開催されています。担当の委員さんが、その時々の旬なもの、みんなが興味を持っていそうなものを題材に企画してくださり、事前には委員会での打ち合わせ、テーマが決まれば講師の依頼、見学先への下見等々、様々な準備をして当日を迎えています。
個人では伺えない話や、なかなか目にする機会が少ないものを見られたりと参加者からは満足の声を多く耳にします。
近年のコロナ禍で、オンラインでのセミナーも当たり前となってきていて、遠方にいながら、貴重なお話をきけたり、映像でよりわかりやすいものを見せてもらえたり、数年でずいぶんと様子が変わったと実感している人は多いと思います。加えて、SNSへの様々な方からの投稿などで、目まぐるしく情報は飛び交っています。これらの情報を目にするのは、インテリアを生業にしている者だけに限らず、興味のある方はどんどん情報を集めていらっしゃいますね。
インテリアのプロはサンプル・現物を必ず確認されるでしょう。けれど一般の方になるとそうはいかず、ネットでの情報で止まってしまうことが多いのではないでしょうか。最近、お施主さまと打ち合わせしていても必ずと言っていいほど、「○○○タグラムで見つけたんだけど・・」とおっしゃいます。素敵なインテリアを見つけていただいて、そんな空間にしたいと思ってくださることはとてもいい事で、インテリアに興味を持ってくださることもとても喜ばしい事です。それらをご自身のお部屋に採用される時は是非ネットでの情報にとどまらず、現物・サンプルを見ていただきたいと思います。
この記事を目にしてくださる方は、そんなこと当たり前!と思ってくださる方が大半だとは思います。授業を担当するデザイン学校の学生たちにも、インターネットで検索するのはもちろんいいけれど、検索をしてその後に数種から検討する際には必ず現物で行うことと何度も伝えています。何度も伝えていても「思っていたもの、画像でみたものと違う」という言葉を聞きます。
インテリアコーディネーターの業務には、プレゼンテーションボード作成というものもあり、これはどういった素材で空間を構成するのかということをクライアントに伝えるためのツールとなります。よりしっかりとイメージを伝えるために作成し、使用します。そして、『伝えるために実物を知る』ことは、プレゼンテーションの基本です。実物を手にし、見ることによって形だけではなく、質感やそのものの持つ本質をも理解できるものです。
ICA関西・5月の勉強会では河内長野にある簾のメーカーさんに訪問し、お話を伺いました。
資料館、工場、ショールームと様々な場面をリアルで見せていただきましたが、現物を見て、手に取り、アイデアがわいてきた参加者も多くいたのではないかと思いました。
百聞は一見に如かず。見て、触れて、そのものを知ることでより具体的な提案ができるはずです。そして、自分の言葉で伝えたことはより相手に伝わります。実物を知ることで信用をも得ることにつながるのではないでしょうか。
9月27日(水)には「アシュレイファニチャーホームストア&ソングドリーム」 勉強会&ショールーム見学が企画されています。ぜひ「実物・現物」を見にいらしてください。
簾勉強会にて
簾勉強会にて
簾勉強会にて
【ICA関西9月の勉強会】
9月27日(水)14:00〜「アシュレイファニチャーホームストア&ソングドリーム」 勉強会&ショールーム見学(詳細はICA関西HPイベント・セミナーページまで)
※9月28日現在イベントは終了しております。