5月度勉強会は「ヴォーリズ建築 日本基督教団大阪教会 礼拝参加&見学会」という内容でした。

「大阪のビジネス街の中で煉瓦積みの教会が突然現れた」そう感じました。
こんなビジネス街に本当に教会があるのだろうかと少し心配になっていたので、
教会を見つけたときはホッとしてしまいました。

1922(大正11年)にウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で
建てられた大阪教会。
階段を登った先にある礼拝堂はここが市街地という事を忘れるような
静謐な空気で圧巻でした。

現しの屋根の小屋組では、トラスに十字架をモチーフとした金物が
さりげなく取り付けられ、ロマネスク様式の半円形のアーチもとても美しく、
フランス積みの煉瓦は築後100年という時を感じさせないものでした。

この礼拝堂で私は、初めてプロテスタントの礼拝を受けました。
キリスト教には「カトリック」と「プロテスタント」があり、
大阪教会は「プロテスタント」教会だそうです。
プロテスタント教会らしく、
ステンドグラスや十字架等視覚で訴えるものが少なく、
控えめな装飾でした。
パイプオルガンの音色や聖書の一部に耳を傾け、祈り、
心が洗われていくような気がしました。

バラ窓は日曜日の礼拝に日が差し込むよう、建物の角度を振り、
礼拝堂はなだらかな傾斜がついており、オーク材の椅子の一枚板を
弓型に曲げて加工されていて、牧師さんの話によると
椅子も配置が決まっていて傾斜や曲げの加工が一つ一つ違うとのことでした。
この使い手の事をよく考えられたヴォーリズ建築、にくいですね!!
これがヴォーリズ建築が愛される理由の一つなのでしょうか。

勉強会に参加させて頂き、ありがとうございました。
ヴォーリズ建築に触れることができ、礼拝等、貴重な体験ができました。
皆さまにお会いできて色々な話を聞くこともできて
とても充実した見学会でした。

最後に。大阪教会の向かいに建築中のマンションが
バラ窓の日差しに影響しなければ・・と切に願います。

№375 尾ノ井 有佳子