1月15日に開催された勉強会では、これまでの凝り固まった思考を柔らかくするヒント、さらには作業療法士さんお墨付きによる信頼度の高い情報をいただくという、2時間があっという間の濃密な内容でした。

講師の松本理絵さんの経歴は興味深く、現在は家業であるミヤカグでインテリアコーディネーターとしてご活躍されていますが、以前は作業療法士さんとして働かれていたとのこと。

大学で専門知識を身につけ、その後病院でのリアルな現場を経験されたなかで、現在「インテリアで困りごとを解決」するひとつひとつの根拠や寸法がとても参考になり、ご自身の経験談という確かな裏付けで話された内容でした。

メモを取るのが追い付かないほどでしたが、聞きやすいペースで時には面白いエピソードも交えて進めていただきました。

高齢になっても、暮らし・住まいは切っても切れない関係です。いつまでも豊かに充実した時間を過ごしたいのに、体の動く範囲や機能に制限がでてきたときインテリアがそれを阻むようではとても悲しいことです。機能性とインテリアが共にある空間づくりという重要度を改めて実感しました。

ライフスタイルが変わるタイミングでお声がけいただくことが多い私たちの仕事は、工事完了したらおしまいではなく、そこから何十年もお住まい(お使い)いただくなかで本当に意味のあるものをお渡しするものと考えています。椅子の座面の寸法、手摺の位置や高さ、足元に危険な段差がないか、商品として提案していないかなど基本的な項目はもちろんのこと、盲点だったのが目の老化による見え方(色の識別)の違いも知ってほしいとお話しされたことでした。

「暮らしにくいを0(ゼロ)にする、そこからさらに+(プラス)にしていく」

インテリアコーディネーターとして転職をされても、目の前の人に思いを寄せることに「前職と何ら変わりがない」とお話しされている松本さんのお人柄から出てくる、優しく頼もしい言葉がセミナー中にいくつもありました。

タイトルにもある「ころぶ おぼれる つまる」は実際に私の身の回りではまだ経験のないことばかり。しかし、いつ誰に訪れるかも予測できないことならしっかり予防に努めるのが我々にできることですね。

今回、作業療法の分野に「住宅整備論」というものがあることを知りましたので専門書を購入して学びを深めてみようと思います。

「人とかかわる仕事がしたい」と決めて長年キャリアを積んでおられる松本さん。またひとり憧れの先輩コーディネーターさんが増えました。

オンラインセミナーでしたので移動の負担もなく、午前中開催だったことで気軽にセミナー申込みができました。開催してくださった企画委員会の方々ありがとうございました。

会員番号405 三浦律子